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海山日和

神奈川南部から発信…野山や海辺を歩いて、見たもの感じたもの
飛んで火に入る?
    

年末に大瀬崎を訪れた目的は、夜にあり。一緒に行動する水中写真家さんがナイトで潜っている間、星空でも眺めながら時間を潰す。そして初めてカメラの星空モードを使ってみた。デジカメではB(バルブ)撮影ができないので、一定時間の間に何度もシャッターを切って、それを合成するっぽい。写真は10分間撮影で、撮影時間は30分や1時間でもできるけど、画角は広角側いっぱいでしか撮影できないようだ。でも、ちょっといい感じだね。たくさん撮ると飽きそうだけど…(笑)





その頃、写真家さんは海の中。写真の、水面が青白く光っている部分にいらっしゃる。もちろん通常のナイトダイビングでは、こんなに明るいライトは使わない。これは生きもの、特に水中を浮遊しながら沖合から漂流してくる小さな生きものを集めるためのもの、いわゆるライトトラップだ。今回はそれを海岸の堤防でもおこなうというので、僕はそちらに参加させてもらったという訳なのだ。


    


スタートは夜10時過ぎくらいから。堤防から水面下にライトを落として、その光に集まってくる生きものの中に珍しいものがいたら、網ですくって確保する。写真の光の中、無数に白く写っているものが、ほとんどみんなプランクトンのような生きものだよ。


    
    

結果としては、今回はただでさえ条件が良くなかった(月が明るく、また引き潮だった)のに加え、この冬は通常よりも2度も水温が高い影響もあって、大したものは出なかった。写真のは僕に見せてくれるために確保してくれたヒメダンゴイカ(上)とホタルイカモドキの一種。どちらも全長1〜1.5センチほどの大きさだ。他にはシャコの幼生とかハダカイワシの一種なども見られたし、写真家さん的には成果がほとんどなかったとは言え、僕にとっては貴重な体験になった。またの機会があれば、これはぜひ参加させてもらいたいな。


| 海の生きもの | 17:40 | comments(6) | - | - | - |
お見合い


この時期、大潮になると昼間よりも夜中の方が潮が引く。知り合いのブログで既に磯にダンゴウオが出たという情報もあったので、今月の第二土曜日の夜、早速いつもの磯に足を運んだ。金曜日にかなり風が吹いたせいもあり、海はまだ若干の波が残っている感じだった。そんな磯でまず最初に見つけたのはガンガゼ。この磯では初めて見るかも。




しかし狙いのダンゴウオには会えず。スナビクニンは小さいのを数匹見たものの写真が撮れず。そしてウミウシもホオズキフシエラガイばかりそこら中にいるのだけど、他の種類がほとんどいない。やっと見つけたのは、今年の早春にも見たユビウミウシ。





それでもごく普通種、レギュラー的な生きものはたくさんいた。上の写真はケアシホンヤドカリ。左の個体が、右の個体の貝殻をハサミで掴んでいる。体のサイズが近いので最初は貝殻強奪かと思ったけど、どうやらオスによるメスの確保のようだ。下の写真はイシガニの仲間とハオコゼがお見合い。異種間で愛が芽生えた? いやいやイシガニの仲間の後ろにも1匹ハオコゼがいるし、カニは単なるお邪魔虫かも?(笑) ダンゴウオの本格シーズンはまだこれから。来年年明けの1月2月でまたご報告したい。


| 海の生きもの | 19:40 | comments(6) | - | - | - |
漂流生物は不思議ちゃん


この前の日曜日は、青くない漂着生物・オキナガレガニもそこそこの数、見られた。ほとんどが、ある程度成長した個体だったが、1個体だけごく小さな(甲幅5ミリくらい)の個体もいた。色彩のバリエーションも豊富で、見ての通り居着いている漂流物に、ある程度は体色を合わせることが可能なようだ。とは言っても、それが絶対な訳ではなく、明るい灰褐色の材木や竹に、赤黒い個体がついていることもあるし、人口の浮きなどのブルーやオレンジにはもちろん体色を合わせることはできない。だいたい、白色、淡褐色、黄褐色、暗褐色、暗赤褐色が中心で、今回は載せていないけれど、背甲に大きな白斑を持つ個体も多い。


    


今季は夏に抱卵した個体を確認したが、今週の平日に別の浜でフクロムシに寄生された個体を確認した。フクロムシに寄生されたオキナガレガニは、今回の大量漂着時に、hiyocoさんも確認されている。でも写真を見比べると、ちょっと色合いとかが違うようにも見える。考えてみれば、外洋を漂流するオキナガレガニには少し変わったフクロムシが寄生していてもおかしくない。調べてみると、詳しくはわからないものの、フクロムシにもいろいろ種類がいるようだ。こういうのがもう少しわかったら楽しいのにな。液浸標本なんて作れないから“ブツ”を見つけても、なかなか持ち帰れないし。何か種類の識別や生態の解明に役立てられればいいのだけど、これは今後の課題だな〜。




ちなみに、イボショウジンガニは今回は見かけなかった。


| 海の生きもの | 10:00 | comments(4) | - | - | - |
日曜日の青物
    

この前の日曜日、青い貝の大量漂着があった際に見られた、貝以外の青物たちを紹介しておこう。青い貝についての報告は→こちら


    
    

青いクラゲはカツオノエボシが一番多かった。サイズは小さなものから大きなものまで見られ、浮き袋の大きさは最大で5センチくらい。最大級のものはもっと大きくなるけれど、これくらいが順当かな。ただご覧の通り、触手はよく発達していて、数十センチも伸ばしていた個体もいた。サーファーさんなんかは刺された人もいたんじゃないかな? 一方で、カツオのカンムリは数えるほどしかなかったよ。





青いクラゲのもう1種ギンカクラゲは、材木座海岸の真ん中から西側でよく見られた。同時にアオミノウミウシ(ギンカクラゲの右横にいるよ。写真はヤラセだけどね 笑)も数個体、見られた。ただ荒波にもまれてちょっとボロボロな姿だった。ギンカクラゲには、これらのアオミノウミウシ、あるいは青い貝たちが囓ったような跡が残るものもいたよ(夕方だったし貝拾うのに夢中で写真撮らなかった…)。そして1個体だけだけどウミアメンボも確認。アオミノウミウシは2年ぶりだけど、ウミアメンボはかなり久しぶりのはず。小さいから気がつかない場合もあると思うけど、もう少しじっくり見てみたいな。


| 海の生きもの | 19:20 | comments(6) | - | - | - |
心象風景のような
    


10月に入って日もずいぶん短くなった。今はまだ晴れてさえいれば暖かいけれど、直に海岸を歩くには上着が必要になってくるかな…。夏場の賑やかさがすっかり消えた秋の浜辺。ぽつりぽつりと打ち上がったものが、どこか今の季節に感じる寂しさを現れているみたいだ。


    
| 海の生きもの | 19:00 | comments(8) | - | - | - |
蟹&蟹




野山ネタがまだ残ってますが、久しぶりに海ネタを。秋になって静かになった海岸。風はもう北風ばかりで漂着物も寂しいもの。そんな浜辺で見つけたのはコメツキガニ。スナガニに比べて体も巣穴も小さく、巣穴の前に小さな泥団子があるのが特徴だね。1枚目の写真の個体は、どうやら巣穴が踏まれてしまったらしく、途方に暮れてウロウロしていたもの。追いかけ回してごめん!






2種類目は、実はこのブログ初登場のイボショウジンガニ。オキナガレガニはけっこう出会っているのに、なぜかイボショウジンガニには縁がないんだよね。これは今月初めの爆弾低気圧通過の後、唯一打ち上がったエボシもの、1メートル強の角材についていたもの。しっかり成長した大きなメス個体だった。エボシガイたっぷりの角材についている状態で撮りたかったのだけど、逃げられた(笑)なので海に追い立ててみた。こいつは普通の岩場でも生きていけるからね。この時は漂着物はモモタマナくらいしかなかったけど、この1匹で十分楽しかったな。

| 海の生きもの | 18:30 | comments(2) | - | - | - |
漂着動物たち



拾うものがなんにもなかった波崎。でも見るものはそれなりにあったよ。最初は流石に波崎という感じのコアホウドリ。頭部もいい感じに白骨化していたけど、もう1羽うちにいるので持ち帰らず。





そしてコアホウドリ2羽目と下はオオミズナギドリ。今月、神奈川でもコアホウドリが漂着したらしいけど、やはり太平洋から真っ直ぐ北上してくる台風があると、コアホウドリのような外洋性海鳥が迷行したり漂着することが多いね。特に外房から鹿島灘沿岸は多いと思う。オオミズナギドリはまあどこでも定番中の定番で数個体あった。





ポツポツと目についたのはガンギエイ類の卵殻。中には地元で見るよりも一回り大きいサイズのものもあった。ただ種類が違うのか個体差なのかは不明。波崎では昔、トラザメ類の卵殻も拾っている。そしてここ最近各地で漂着が増えているビゼンクラゲ(またはスナイロクラゲ)。そう言えば前回の10年前はちょうどエチゼンクラゲの当たり年で、波崎や九十九里の海岸にたくさん打ち上がっていたなぁ。


    
    

臭い!と思ったら、漂着ゴミの中にひっくり返ったでっかなアカウミガメ。完全な成体で甲羅の長さは70センチくらいはあっただろう。太くてデカい頭も特徴的だ。痛み具合が少ないので、比較的最近になって死んだもののようだ。漂着材を梃子のように使ってひっくり返そうとしたけれど、重くてとても無理だった。カメフジツボはなかった模様。


    


そして最後。これはニュースとかでも流れていたけど利根川水系の名物とも言えるハクレン。中国原産の帰化淡水魚で、いわゆるレンギョと呼ばれる魚の1つ。写真だと大きさがわかりにくいけど、1メートル弱はある。中流で産卵された卵が下流に流れ下りながら発生が進み孵化するため、利根川のような長い川でないと繁殖できない。繁殖期に水面上にジャンプすることでも有名だ。だいたい大雨が降って利根川が増水すると、死体が波崎などに打ち上がる。中国では重要な食用魚。でもカラスの足跡があるのに食べられていないのはなぜだろう?

まあこんな感じで、拾いものはダメでもけっこう楽しめたよ。

| 海の生きもの | 09:30 | comments(6) | - | - | - |
御前崎のウミガメ
 

先週末のウミガメ観察、現地を案内してくれたのは御前崎のアカウミガメを何年も撮影し続けている自然写真家の櫻井秊己さん(左)。そして四季に彩られた日本の海と、そこに暮らす生きものたちを撮影している水中写真家の阿部秀樹さん(右)。その道のプロフェッショナルにお話しを聞くのはとても楽しく、またとても刺激的だ。


 
 
 

その櫻井さんが今年の6月に御前崎のアカウミガメをテーマにした写真絵本を出版された。産卵に訪れるアカウミガメだけでなく、産卵場所である御前崎という土地、そしてウミガメに関わる人たちなども取り上げて、奥行きの深いストーリーになっている。本屋さんや図書館で見かけたら、ぜひ手に取ってみてほしい。ちなみに阿部さんの著作についてはこちらこちらを見てくださいね。

| 海の生きもの | 23:00 | comments(2) | - | - | - |
棚から蟹餅?
 
 

今回の御前崎、ウミガメ観察の方は散々だったけど、偶然近くで海に流れこむ沢…というよりコンクリートで固められた側溝のような場所で、アカテガニが放仔をしているのを見つけた。見つけた1晩目はもう放仔が終わる時間だったので、満を持して2晩目の観察へ。アカテガニの放仔はだいたい日没後の1時間半程度なので、ウミガメ観察の前にちょうど良かったのだ。あたりが薄暗くなると、水辺の周りの草むらなどからアカテガニが姿を現し始める。


 

次から次へと水辺に降りてくるカニたち。アカテガニのほかにも、全身が朱色で綺麗なベンケイガニ、黒っぽい体にハサミが紫色のクロベンケイガニ、小さくて地味なカクベンケイガニもいる。三浦半島の小網代に比べて、ベンケイガニとクロベンケイガニがとても多い。






おもしろいのは、ここのカニたちは海まで降りずに、川にそのまま放仔することだ(写真4)。この場所は海まではまだ数十メートルも内陸にある。満潮でも潮の影響は受けない場所だ。しかもけっこうな流れがあるのだけど平気で放仔をおこなっている(写真5)。写真5の個体はタイミング良く、放仔の直後に一気に流されていく幼生が写し込めた(写真6)。それほどいろんな場所でアカテガニを観察した訳ではないけれど、ここのアカテガニは生態的にもかなり興味深い。


 
 

翌朝、昨晩の観察場所に行ってみると、沢の護岸上にアカテガニやベンケイガニ、クロベンケイガニがうようよ。ミミズを取り合って食べているベンケイガニなども観察できた。明るい時間は特に警戒心が強いので、コンデジではなかなか写真が撮れないけれど、かなり充実した時間を過ごすことができたよ。

| 海の生きもの | 22:50 | comments(4) | - | - | - |
浦島太郎になれず
     

この週末(金曜日〜日曜日)は、写真の場所へ行ってきた。岬に立つ白い灯台…ビーチコーマーの人には見覚えのある人もいるだろう。その場所は静岡県の御前崎。目的は産卵に訪れるアカウミガメを観察するため。御前崎の海岸は本州でも有数のウミガメ産卵地として国の天然記念物にも指定されているのだ。しかも今回は御前崎で長年ウミガメ産卵の観察を続けている人が案内してくれる。


     
     

と、ところが…。今年の御前崎は今までにない異常事態。産卵上陸が例年の4分の1以下になっていたのだ。7月31日金曜日と8月1日の2晩、ほぼ徹夜に近い状況で産卵上陸するウミガメを探したけれど、残念ながら見ることはできなかった。今年は御前崎市が開催しているウミガメ産卵観察会(7月末の1週間ほど)でもウミガメ上陸がなく、また7月上旬に産卵したウミガメがいないことから、8月末に予定していた孵化したウミガメの子供の放流観察会も中止になったほど。ちなみに写真は2枚目が数日前の上陸跡、そして3枚目が7月31日に我々がチェックしていた場所とは違う場所で上陸した跡(ただし産卵はなし)。今年は全国的にアカウミガメの産卵上陸数が少ないらしいが、原因は不明だ。来年はきっと産卵上陸数も元に戻ってくれると信じて、改めてリベンジしたいと思う。



*御前崎のウミガメ観察には御前崎市教育委員会の許可が必要です。ウミガメは非常に警戒心が強く、海岸で騒いだりすると産卵上陸をしません。詳しくは御前崎市のHPを参照してください。
| 海の生きもの | 21:20 | comments(8) | - | - | - |