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海山日和

神奈川南部から発信…野山や海辺を歩いて、見たもの感じたもの
再び三浦の山奥に2
   

前回記事の続きです。林内に潜り、谷に降り、尾根に登り…と休む時間も惜しんで歩き回る。昼はコンビニのおにぎりを立ち食い。まぁ近場ということで油断して、出かけるのが遅いからいけないんだけどね。歩く山道沿いにはイヌショウマの白い花が咲き出していたよ。


   

足元を見ればキチジョウソウの花もあちこちで咲いている。群生している上に、常緑の長い葉があるから花が隠されて目立たない。でも、花には赤みがあってヤブランとはまた違った雰囲気だから、ぜひ足を止めて見てほしい花だね。いつもなら車を止めた場所まで同じ道を往復するのだけど、今日はぐるっと遠回りして帰ることに。


   


この後は道は平坦だけど、散々歩き回ったのでさすがに疲れた。それでも道端に咲く花が元気づけてくれる。ポツリポツリと咲いていたのはホトトギス。前に紹介したヤマホトトギスが丘陵から山のやや乾いた明るい林内に生えるのに対して、ホトトギスは平地寄りの水辺近くなどやや湿った場所に多く生える印象。さらに進むと道沿いにツリフネソウの群落。花をアップで撮ってみたけど、なんかちょっと恐い感じがするよね。SF映画やアニメで出てくる宇宙怪獣みたいな?(笑)



   

最後の締めくくりはタニジャコウソウ。それほど多くないというか割と少ない植物で、神奈川は大丈夫なようだけど、他の都府県によっては絶滅危惧種に指定されている。やや薄暗い林内にひっそりと咲いていて、佇まいなどは和風的。でも花をアップで見てみるとちょっと洋風な感じもする、和洋折衷の可愛らしい花だ。南にある三浦半島と言っても山の花の盛りは今月いっぱい。月末から来月は今度は海辺が花盛りになる。それも楽しみだな♪


| 野の花・植物 | 20:20 | comments(2) | - | - | - |
再び三浦の山奥へ1


10月に入っても天気がスッキリしません。まぁ降ったり止んだりの天気も、世間様の三連休も自分には関係なく、家に引き籠もってますけどね。そんな訳で、話題は先週末のフィールド探索から。9月の記事でも出したけれどカリガネソウ。その時はまだ咲き始めだったようで今が盛りと咲いてました。今週はもうちょっと遅いかな。


   
   

先週の目的の1つは、クロヤツシロラン。一昨年に見つけて昨年撮影した場所を訪れてみると…あれ? ひょろっとしたのが何本もニョキニョキ。もう果実ができてる! あたりをくまなく探して何とか咲いている株を3株ほど発見。写真の株は花付きの多いよい株だったけど、あとは小さくてやや貧弱なもので、ギリギリセーフだった。でも写真を見てみると、なんかもじゃもじゃゴミが絡まってる。これ現地では気がつかなかったんだよね。花も小さいし、色も腐葉土と同じなんで…。




9月の記事で花を紹介したノブキも、もうすっかり果実に。花序のうち、中央の両生花の部分は脱落して、残っているのは花序下部の雌花部分=果実だけ。地味な存在だけど、なんともおもしろい花だね。


   
   

日当たりのよい場所ではカシワバハグマが咲き始めていた。「ハグマ(白熊)」と名前があるけれど、この花キッコウハグマとは別のグループ(属)。花を見ると何となくわかるように、これはコウヤボウキと同じグループだ。今週から来週あたりはあちこちで花が見られるはず。そして最後はこちらは残り花のイワギボウシ。先月の記事で咲いていた場所はもう果実ができ始めていたけれど、その時にまだ咲いていなかった株がなんとか残っていた。こういう残り物は“福”だね。つづく。


| 野の花・植物 | 10:50 | comments(4) | - | - | - |
山海の“珍花”


この前の火曜日は、植物写真家の鈴木庸夫さんご夫婦をご案内して、三浦半島の丘陵や海岸を巡ってきた。写真は山道で見つけた、2メートル近くもあるアオダイショウの脱皮殻を撮影するお二人。


   


丘陵の方の一番の狙いはこのツルギキョウ。昨年は出かけるのが遅くなり、最後の一輪をギリギリ撮影した感じだったけど、今年はバッチリ。花も複数咲いていたし、若い果実もできていて見応えがあった。ツルギキョウは林縁に生えるキキョウ科の蔓植物。主に関東地方以西に分布するが個体数がとても少なく、絶滅危惧種にも指定されている稀少種だ。


   


午後からは海岸へ。海岸が本当に花盛りになるのは11月の初めだけど、探せばそれなりの見物がある。今年は海岸にノブドウがたくさん。すごく実付きがいいのだ。と思ったら、ちゃんと食べられるブドウ(エビヅル)も果実がいっぱいだった! こんなに実付きがいいのは初めて見るくらいすごかった。


   

そして一番の見物は、今年も咲いていてくれたソナレマツムシソウ。千葉と神奈川の海岸にわずかに生育するだけのこの花、海岸に生えるくせに塩分には弱く、潮を被ればすぐに枯れてしまう。それにまた花が綺麗なために盗掘の被害も受ける。三浦半島では観音崎自然博物館で人工増殖に取り組んでいるのだが、博物館の周辺に植えたものでさえ盗掘されるのだ。一番の敵が人間って最悪だよね。




充実した一日のフィナーレは素敵な夕焼け。そして、美味しい海の幸とお疲れ様の一杯だった(笑)


追記

ソナレマツムシソウは、山地で見られる同じような特徴を持つタイプとまとめて、マツムシソウの変種アシタカマツムシソウとする意見もあるようだ。ソナレは「磯馴(磯に馴れる=海岸適応の意)」、アシタカは「愛鷹(たぶん愛鷹山に由来)」だけど、個人的にはやっぱりソナレマツムシソウと呼びたいな。
| 野の花・植物 | 17:10 | comments(6) | - | - | - |
秋咲と黒
   


2つ前の記事でアキザキヤツシロランを見たと報告したが、それならいつもの場所でも咲いているかなと先週末に出かけてみた。すると昨年見つけた場所周辺で5〜6株出ているのを確認。ただ、雨の多い天気のせいか受粉できずに腐れていたり、花被片を何かに囓られたものが多かった。草丈はわずか4センチほどで、コンデジでも撮影に苦労する。でも好きなんだな〜この異形の植物たちが。


   

今回は偶然にも同じフィールドでクロヤツシロランも見つけた。この場所で本種の花を見るのは初めてだ。こちらは草丈2センチ。この花も昨年撮影した生育地をチェックしないと。このランの仲間は、葉緑素を持たず、光合成ではなく菌類との共生関係で栄養を得ている。このところはホント雨が多いけど、湿度が高いのは菌類にとっては良いはず。この天気、これらのランの開花に吉と出るのか凶と出るのか。


| 野の花・植物 | 20:30 | comments(4) | - | - | - |
岩擬宝珠
   

三浦半島の山の中、沢沿いの苔蒸した崖にはイワギボウシが着生している。昨年は月末くらいに撮影したのに、今年は月半ば前でもう咲いている。今年の植物の早咲きは秋になっても相変わらずだ。イワギボウシは県内でも丹沢などではさほど珍しい植物ではないと思う。ただ三浦半島での分布は限られていて、貴重な群生地といえる。


   
   

このような場所に咲く株は、ほとんどが手の届かない高さにある。自然と見上げる構図になり、図らずも逆光気味での撮影になる。薄暗い谷間と白っぽい花のコントラスト差が大きいのだけど、なんとか雰囲気は出せたかな。ギボウシの仲間といえば、この夏に箱根を通った時に、コバギボウシがそこいら中に咲いていたのを思い出す。来年はそちらもゆっくり撮影しに行ってみようかな。

| 野の花・植物 | 15:20 | comments(2) | - | - | - |
今度は山へ
   


先週末はちょっと頑張って、三浦の山の中に行ってみた。いつも通り、尾根側から谷に降りるコースを往復。最初に出迎えてくれたのはヤマホトトギス。先月から咲いていたけど、今が盛りの感じ。平地に多いホトトギスは濃いめの紫色で妖艶な雰囲気。それももちろんきれいだけど、ちょっと素朴な雰囲気のこの花もいいね。


   


オトギリソウはもう花が終わって、ヒヨドリバナはこれからの感じ。ふと足元を見ると白い小さな花。毛の生えた三つ葉も特徴なこの花はネコハギだね。そして道の脇にはタマアジサイ。この花、花序の周辺部から咲き出すので、花序中央部がきれいでも周辺部が枯れたりしていることが多いのだけど、この花はよかった。


   

県内では稀少なカリガネソウも咲いていた。昨年に比べると株の状態がちょっとよくないようにも見える。花の盛りはもう少し先かも? しかし何度見てもおもしろい形の花だね〜。


   

湿った谷沿いに降りていくと、思いがけない場所でアキザキヤツシロランを発見。過去に見ている場所とは全然違う場所で、こんなところにもあるんだな〜と驚き。それに、これはちょっとしたご褒美だね(笑)


   

水辺に多かったのはノブキ。咲いている花の周囲にある棍棒状のものが果実で、ネバネバ突起があって動物などに付着して散布される。写真下の方を見ると、この棍棒状部分の先にも花がついているのがわかると思う。実はノブキは、花序の中央に両生花、周辺部に雌花が咲き、それぞれの形が違うだけでなく雌花だけが結実するのだ。おもしろいね〜。




植林地の下にはフユイチゴの花がちらほら。初冬の頃には赤い果実が見られるかな。今回は花が目的と言うよりは冬虫夏草探しがメインだったのだけど、けっこういろいろな花に出会えた。今回一番の見物だった花は次回の記事に。
| 野の花・植物 | 18:50 | comments(4) | - | - | - |
地元で錫杖草
   

3日ほど出かけていて、ここ最近では少し間が空きました。とりあえず今回は今月半ば前、実家に戻った時の写真から。かなり昔から観察を続けている地元フィールドとは言え、梅雨明け前の7月前半はけっこう観察回数の少ない“穴”。早速、雑木林の入り口でこのフィールドでは再発見と呼ぶに相応しいヒメヤブランを見つけた。


   


今年はいろいろな花が咲くのが早いので、見られるかな〜と思っていたマヤラン。まだこれから…という感じではあったものの、何とか1輪だけ咲いていてくれた。しかし、周辺を探索すると、花茎が伸びたものの、つぼみを膨らませることなく枯れた株をいくつも見つけた。天候のせいか、何かの病気か、ちょっと心配。


   
   

そして、時期的にはちょうど良いはず…と思っていたのが、このシャクジョウソウ。葉緑素を持たない、菌従属栄養の植物だ。数はわずかだったけれど、以前見たのと同じ場所にしっかり咲いていてくれた。この花は、花茎を伸ばし花が咲き始める当初は頭を垂れていて(写真上)、花が盛りを迎えると頭を上げるようになる(写真下)。


   

   

農道脇の土手ではもうアキカラマツが咲き始めていた。涼しげな雰囲気のこの花はけっこう好きなのに、この場所はよく草刈りされてしまうので、見るのは久しぶりな感じだ。ヤブカンゾウは少しくたびれた印象。とは言え、もともと花弁がゴチャゴチャっとした花なので、こんなものかも?(笑) 個人的にはなんとなく盛夏〜晩夏のイメージのヤブミョウガももう咲いていた。期待以上の花が見られて、なかなか楽しい地元フィールド散歩だったよ。


| 野の花・植物 | 19:00 | comments(6) | - | - | - |
開花トリガー
   
   

あっと言う間に半年が過ぎて、7月に入ってしまった。本格的な夏を前にしたこの時期に咲く花の中で、やはりまず最初に確認せずにはいられないのがヒメノヤガラ。今年は花の咲く時期が全般早めなので、それを見越して自生地に行ってみた。先月26日に開花始めを確認、写真は1日に撮影したもの。昨年、撮影したのが7月8日だったから、やはりほぼ1週間は開花時期が早いことになる。


   
   

ヒメノヤガラとほぼ同時期に咲くタシロランも、今年は6月中から開花が見られた(写真の撮影日はヒメノヤガラと同じ1日)。植物の花が開花するためのトリガーには積算気温というものがある。サクラ(ソメイヨシノ)の開花でよく知られている説で、年平均気温の最低月以降の平均気温、あるいは最高気温を足して一定の数値を越えると、開花が始まるというものだ。それで考えれば、昨冬はごく一時期を除いてかなり暖冬気味だったから、開花が早まるのも納得がいく。もちろん、それが全てではないだろうし、植物の種類によっては別のトリガーがあるのかもしれないけど、興味深い話だよね。


   


この時期に咲いているのはヒメノヤガラやタシロランだけじゃない。昨年紹介したコクランは今年は見逃したけれど(マイフィールドでは何と既に花が終わっていた)、地面近くでひっそりと咲く花もある。上はジャノヒゲ。小さなつぼみをたくさん付けた花序はずいぶん前から見ていたけど、やっとつぼみがほころんだ。下はヤブコウジ。花は梅雨時に咲くから、秋の赤い果実ほどには知られていないね。でも花びらには“そばかす”みたいな斑が入って、なかなか可愛らしいんだよ。





別のものを探していて偶然見つけたのは、つる植物のオオカモメヅル。名前に「大」とついているけど、花の直径は5ミリほどしかない。花の中心部に雄しべが変形してできた星形の副花冠があるのと、花に細かい毛が生えているのが特徴だ。最後は花ではなく薄暗い林下に生えるアリドオシの果実。アリドオシ自体は特に珍しくないのだけど、そう言えばちゃんと撮ったことなかったな〜。来春は花もしっかり撮影しないと。さてさて、暑さが増してヤブ蚊の攻撃も激しくなる一方だけど、まだまだ撮りたい花がいっぱい。頑張らなきゃ(笑)


| 野の花・植物 | 17:40 | comments(4) | - | - | - |
梅雨時の清爽
   

先週、三浦半島の海辺を訪れたら、すぐ近くの丘の上でヤマユリがたくさん咲いていた。あたりには甘い芳香が漂っている。この時期にこの場所に来ることがなかったから、こんなにヤマユリがあることを知らなかったよ。可憐な大輪の花は、やっぱり見事だね〜。





一般に夏の花、花期が7〜8月とされているヤマユリ。山など標高の高いところや、北の地方ではそうなのだろう。でも我が地元では6月に入ると早々に咲いてしまう。写真の花は今頃はもう萎れているだろう。そう、神奈川南部では夏本番を迎える前にヤマユリも姿を消してしまうのだ。今が旬の花は、アジサイばかりじゃないよ。


   
   

林縁で控えめに自己主張していたのはアカメガシワ。春先の赤い新芽ほどではないけれど、今の時期の花も見ていてなかなかおもしろい。この木は雌雄異株。つまり木によって雌花(写真上)と雄花(写真下)、片方しか咲かせないのだ。花の様子はそれぞれに個性的だから、その違いをじっくり見比べてみてほしいな。





そして6月の花の代表格でもあるムラサキシキブ。ちょっとした雑木林の林縁などに生えている。秋に実る紫色の果実も綺麗だけど、花もなかなかのもの。そして最後はやっぱりアジサイ? でも写真のは園芸種ではなく自生のガクアジサイ。園芸種のような派手さはないけれど、落ち着いた佇まいはけっこう魅力的でしょう? 梅雨時で外に出るのも億劫になりがちだけど、ひっそりと咲く野の花たちをぜひ見に行ってね。




| 野の花・植物 | 20:20 | comments(8) | - | - | - |
弱天麻 nayotenma


お友達のYACCHIさんに教えてもらって見に行ってきた。名前はナヨテンマ。オニノヤガラ属に含まれる菌従属栄養性(腐生)ランだ。千葉県以西に広く分布しているものの、標本に基づく記録が少なく、絶滅危惧種にも指定されている。県内では丹沢や横浜での記録があるが、今回の場所は2013年に標本に基づき新産地として記録された場所らしい。自生地はすぐに見つかり、その周辺にはけっこうな数の株が出ていた。


   
   

しかし、残念ながら花はほぼ終わりの時期だった。1つひとつ株を回って探したけれど、萎れた花ばかり。タイミングとしては1週間遅かった感じかな。今年は全般花が咲くのが早い感じなので、例年なら今ぐらいでもよかったのかも。何とか形を保っている花を見つけて撮ったのが3枚目の写真。昨年紹介したクロヤツシロランアキザキヤツシロランも同じオニノヤガラ属。花の感じはよく似ているね。菌従属栄養性植物は大好物なので、来年はぜひベストな状態を見てみたいな。


   
   

せっかく来たのだから周辺も少し探索。この時期らしい花と言えば、このオオバジャノヒゲ。名前の通りジャノヒゲの仲間だけれど、花茎はしっかり立ちあがって花もずっと大きい。ジャノヒゲよりも目立つ存在なのに、花壇の植え込みなどに使われるジャノヒゲに比べてマイナーな存在なのは、開花時期がもろに梅雨時だからかな。


   

こちらはオカタツナミソウかな。自分のフィールドではコバノタツナミが多くて、タツナミソウが少しという感じだけど、丘陵地に入ればあるのかな〜(ちなみにこのフィールドは三浦半島ではないのだ)。草丈もあって花も大きく、コバノタツナミに慣れているとずいぶん立派に見えた。さて、ゆっくりしたいところだったけど、この日はもう1カ所、別のフィールドに行くので足早にこの雑木林を後にした。


| 野の花・植物 | 20:30 | comments(2) | - | - | - |