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神奈川南部から発信…野山や海辺を歩いて、見たもの感じたもの
2010.07.29 Thursday
kimagure黒無葉蘭
昨日、先週金曜日のリベンジを果たして来た。できれば自力で何とかしたかったのだけど、そこはこの前の下見で無理と悟ったので、三浦半島の植物に詳しい方のお力を借りた。なにしろ花の命は短い。花期を逃すと、次は来年だからね。で、その目的の花というのが(また)腐生ラン、クロムヨウランだ☆ 細くて黒い茎の先にいくつもの蕾をつけた独特の姿。高さは15センチほどだろうか。今シーズンこれまでに紹介してきた腐生ランと比べても、さらに目立たない。背景の落ち葉に溶け込んで、視線を下げ目を凝らさないと気がつかないほどだ。

花の大きさは1.5センチほど。萼片や側花弁は淡いクリーム色で、唇弁の先がほのかに青紫色に染まっている。黒くてヒョロリとした草姿からは想像できない清楚さだ。ただこの花、とっても気まぐれで、膨らんだ蕾をつけても開花するとは限らない。結局1シーズン中、花を開かせないこともあるそうだ。腐生ランの多くも昆虫などに花粉を媒介してもらうのだけど、このクロムヨウランは閉鎖花で自家受精でもするのだろうか…。今回もわずかに蕾がほころんだ程度で完全な開花は見られなかった。でも、初めて出会った大好きな腐生ラン。完全開花の姿を見るのは、次の機会まで取っておこう(笑)
2010.07.27 Tuesday
羽黒蜻蛉
僕の実家の近所には小さな川が流れている。川岸はすっかり護岸されているけど、桜並木があり、時にはカワセミもやってくる、そんな川だ。今月前半に帰った時、そこで見つけたのがハグロトンボ。名前の通り羽が黒く、体はメタリックな青緑色の光沢を放つ美しいカワトンボの仲間だ。でも、それほど珍しい訳でもなく、流れの緩やかな川で見られる種類で、今いる逗子の川でも見られる。でも、その美しさとひらひらと優雅に飛ぶ姿が印象的で、見られるとちょっと嬉しくなってしまうんだよね。通りすがりの人に変な目で見られながらも、止まったハグロトンボにじりじりとにじり寄って撮影(笑)

遊歩道の柵の鎖ではセグロアシナガバチがせっせと子育て中。巣の左下にいる個体は、撮影しようとしたらちょうど戻ってきた個体で、口にはイモムシの肉団子をくわえていた。おまけに、いっちょまえにこちらを威嚇。撮影距離(巣とカメラの間)は30センチくらいだから気にはなるよね。でも、アシナガバチは基本的にはおとなしいので、何もしないで見ている分には問題ないんだ。ただ神経質な人はいるし万が一のことがあるから駆除されやすい。無事に子育てが続けられるといいけれどね。
2010.07.24 Saturday
同じでも違うんだ
金曜日は見てみたい花を探しに、三浦半島のとある山へと出かけてみた。今日も全国的に猛暑日で、歩いたのは最も気温が高くなるお昼時。500mlのペットボトルのお茶はぐんぐんなくなり、疲れと空腹も加わって最後はもう朦朧状態。しかも、今回の場所は車を止められる場所から山の入り口まで距離があって辛かった〜。肝心の花はといえば、初めての場所で闇雲に歩いたところで、数少ない希少な植物などそうは見つけられるわけもなく(まぁ元々、下見のつもりだったのだけど)、見られたのは写真のマヤランくらい。でも、このマヤランも大好きな花の1つ(腐生植物!)だから満足できたんだけどね(笑)


ちょっと面白かったのは同種内の個体差。写真上2枚は山の稜線近くで見つけたもの。これは僕が今まで見てきたものによく似たタイプ。マヤランといえばこんな印象なんだけど、写真下2枚はそれよりも下の方で見かけたもの。花の唇弁の斑紋が細かく、萼片の色もとても濃い。薄暗い林内で最初見つけた時は、終わりかけで黒ずんでいるのかと思ったけれどそうではなかった。そして側花弁や唇弁の縁はやや波打っているし、唇弁の先の反り返りも強い。今まで何カ所かでマヤランを見たことがあるけれど、こんなにタイプは初めて見た。同じ山域…というか直線距離にしたらそう離れてはいない場所なのに、これだけ違う個体群があるなんて自然度が高い証拠かもしれないね☆
2010.07.21 Wednesday
saita saita 夏海の花
海の日絡みの連休は日曜日に少し出かけただけ。hiroimonoで紹介したルリガイをちょこっと拾い、この夏の海辺を代表する花をパチリと写して帰ってきた。ゴチャッとして絵が作りにくいし、強烈な日差しの下で花の白さに露出を合わすとコントラストがつき過ぎるし…と花を目の前にして口から文句が溢れてくるのだけど、それでもやっぱりシャッターを押してしまう。何気に4年連続の登場で、これまで紹介してきた数多くの植物の中でもそんな例はおそらくこれくらいだと思う。でも、仕方ないよね。ハマユウ(浜木綿)…またの名をハマオモト(浜万年青)。この花は夏の海の象徴なんだから。

2010.07.18 Sunday
地面になるアケビ
月曜日、実家から逗子へ戻る途中ちょっと寄り道をして、丹沢の麓にある花を見に行った。とある林道を登り、辿り着いた車止め前の小広いスペースと小さな沢の境にそれはあった。ツチアケビ(土通草)…山地に咲く腐生ランの1種で、比較的大きく育ち目立つのでよく知られている。写真の株で高さ50センチほど。名前は果実に由来し、1枚目の写真でも写っている臙脂色の細長い果実をアケビに見立てたものだ。僕は果実の状態のものを見たことがあったのだけど、花は初めて。たまたま知り合いで植物写真家の鈴木庸夫さんが見つけていたのを、場所を教えてもらって見に行ったという訳だ。

花の状態はちょっと終わりかけだったけど、初めてのツチアケビの花に感動! 花は乱雑に、あちこちを向いて咲く。萼片や側花弁が黄土色なので一見、地味なように見えるけれど、唇弁は鮮やかな黄色でなかなか美しい花だ。バラバラと雨が降っている中、濡れるのもいとわずに撮影しちゃったよ(笑) 先週金曜日にヒメノヤガラ、日曜日にサガミランモドキとシャクジョウソウ、そして週明け月曜日にこのツチアケビ。腐生植物4連発で、そのうち3種類は腐生ランと、何とも贅沢な観察をすることが出来た☆
以下、おまけです。*注意* 苦手な人もいるかも…
2010.07.16 Friday
地元で懐かしいひとに逢う
先週末の日曜日は地元に戻って、馴染みのフィールドへ。この時期に歩くのは久しぶりだったから過去の記録から見られそうなモノをチェック。一番の狙いはやはりマヤランだろう。実はこちらのフィールドでは前記事のヒメノヤガラを見た時に1株咲いているのを見ているのだけど、地元で見るのはまた違う嬉しさがある。早速、雑木林に入りマヤランのポイントへ。ところが、見つけたのは予想外の花。マヤランによく似ているけれど、全体が白から薄緑色をした花。なんとサガミランモドキだ。サガミランとはマヤランの別名で、それに似ているから“擬き”というわけだ。花の美しさに削ぐわない名前だけど、まぁそれはそれ。以前はマヤランの白花品種とも言われたけれど、一応今は別種ということで落ち着いているらしい。前にこの場所で見たのは2002年だから、実に8年ぶりの再会だ☆


そしてもう1つ狙っていたのがこのシャクジョウソウ。こちらも久しぶり。花の形を修験道の僧が持つ錫杖に見立てた名前だ。サガミランモドキはランの仲間だけれど、こちらはイチヤクソウの仲間。仲間にはギンリョウソウモドキ(同属)があり、またギンリョウソウとも比較的近い仲間だ。大きな違いはシャクジョウソウとギンリョウソウモドキは果実がさく果(果皮が乾いていて多肉質ではないもの)、ギンリョウソウは液果(果皮が多肉質で水分を多く含むもの)ということ。前出のサガミランモドキもこちらのシャクジョウソウも、ともに腐生植物。腐葉土のたっぷり積もった健康な雑木林でしか見られない貴重な植物なんだ。薮蚊の襲撃はキツかったけど、予想外と狙い通りの花が見られて素敵な週末になったよ☆
2010.07.14 Wednesday
2010年のお姫さま
前記事の虫草探索に出かける前、通り道にあるヒメノヤガラの生育地をチェック。実は少し前に状態を確認していたので、この日ならバッチリ花が咲いているだろうと読んでいたのだ。昨年は見やすい場所に出ず花の時期を逃してしまったけれど、今年はいい場所に出ていてくれた。写真の株で高さ4センチ。1つの花の大きさは5ミリもないから、ホント小さい。動植物の名前で「ヒメ(姫)」と付くのは小さいものの例えなのだけど、この花はさしずめ「親指姫」だろう(笑) 腐生植物は葉緑素を持たず、共生菌の助けを借りながら落ち葉などの腐植質を栄養として生育する植物。こういうちょっと変なヤツらが僕は大好き☆ という訳で、今回から腐生植物4連発で〜す(笑)
2010.07.12 Monday
半島で虫草探索!
先週の金曜日は三浦半島のこんな場所で冬虫夏草探し。冬虫夏草は湿気の豊富な沢沿いの林などが発生の最適地。ここは前々から近場で一番可能性があるフィールドだと思っていたところだ。車で約5分+現場までの片道歩き数十分、正味3時間でこんな環境に入り込み観察ができるなんて、この半島もまだまだ奥が深い。とは言え、天気予報は曇りのち雨。厚い雲と茂った葉の下では暗くてモノが見えづらく、しかも沢沿いなのと梅雨時なので道はドロドロで参った。もちろん、平日のこんな場所に自分以外は誰1人通ることもない。


冬虫夏草に関してはまだまだ素人レベル。フィールドでの目敏さには自信があるものの、「ここだ!」という微妙な発生ポイントがまだ判断できない。経験豊富な友人のomusubiさんにでも実地で教えてもらわないとなぁ(笑)できれば新しい種類を見つけたかったのだけど、結局見つかったのは以前にも見ているクモ生のギベルラタケとカメムシタケのみ。ギベルラタケは2つとも径1センチ弱。カメムシタケは7〜8センチくらいの長さに伸びていて、宿主のカメムシはもうボロボロで種類までは判別できなかった。それでもやっぱりフィールドは楽しいなぁ♪ また時期をずらして探索に訪れてみようっと!
2010.07.10 Saturday
う、産まれる〜!
ウミウシ・ネタのとりあえずのラストを飾るのはクモガタウミウシ。潮溜まりではごく普通に見られる種類だけど、擬態効果のある体色・模様をしているため案外、見つけにくいウミウシでもある(ただし、裏面はオレンジに黒い斑模様の超派手色彩)。この時期になると体長が10センチを超えるような大型個体も稀ではない。アカエラミノウミウシを見つけた日、このクモガタウミウシの産卵シーンに出くわした。岩陰に大小2匹のクモガタ(大きい個体は体長10センチ以上、小さい個体でも6センチほど)を見つけたのだが、よく見ると岩にオレンジ色の卵が産みつけられていて、しかもその端は小さい個体と繋がっている。体がデカいと産む卵も多くて、卵塊の渦の直径も5〜6センチはある。産みつけられたウミウシの卵塊を見る機会は多いけれど、産んでる最中に出くわすことは少ないので貴重な体験だった。ちょっと邪魔しちゃったかもしれないけどね(笑)

2010.07.07 Wednesday
復活!クモタケ坪
近所にある神社へ今年も冬虫夏草チェック。ここはオサムシタケとクモタケの発生地(坪)なのだ。ただ、オサムシタケは毎年コンスタントに発生しているのに対して、クモタケは2007年にすごい数が発生したと思ったら、2008年には激減、そして2009年はついに1株も発見できなかったのだ。クモタケは地中に巣を作るキシノウエトタテグモに寄生する菌類。2007年の時は狭いエリアであれだけの数が発生したら、宿主のクモがいなくなるのでは?と思ったのだけど、それが現実化したような感じだったのだ。

そして、今年2010年。確認しに行ったのは先週末の日曜日。発生地は神社の参道脇の土手で、参道の下の方と上の方に分かれている。ポイントになる土手をじっくり見て行くが下の方では発見できず。そして階段を登って上のポイントへ行くと…あった! あそこに、ここに、数もそこそこ出ていて一安心だ。薮蚊に群がられながら撮影をして、早々に退散した。相変わらず他の虫草は見つからないけれど、前は見なかったタシロランがここでも発生していた。写真は今年のクモタケ2景とオサムシタケ。この場所に生えるのは圧倒的に成虫生ばかり。
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